木造住宅の危機!?

日刊木材新聞(平成15年2月4日付)インタビュー記事より抜粋(一部改変)

~良質な木造住宅作りへ納材業者の責任重大~

パワービルダーと呼ばれる地域建売業者が元気がいい。20才後半から30才前半を需要層に絞り、家賃並みの返済額で戸建て住宅が取得できることから販売実績を伸ばしている。 そうしたパワービルダーの一部には、「安かろう・悪かろう」といったかつての建売業者を彷彿とさせるようなところもある。「粗悪低質木材を使う業者が一部には見られる。そうした材料を施工業者が要求するのかは不明だが、 資材販売業者にも責任があるのではないか。粗悪品を使うことでクレームが発生すれば木造住宅のイメージを悪くする恐れがある」と心配するのは相模原木材センターの栗林一郎社長。

栗林氏にそのあたりを伺った。

「当社の取引先にもパワービルダーに納材しているところがある。ほとんどの業者は良質の製品を納材しているが、一部には「立方あたり2万から2万5千円台の赤松のタルキや3万円の間柱はないか」という問い合わせがある。構造材についてはプレカット工場から乾燥した良材が供給されているので心配はないが、羽柄材についてはそうした低質材が使われているケースもみられる。近頃は直下貼り工法で工期も短いために、そうした未乾燥の低質材を使うことでクレームの原因となる。また、最近は高気密高断熱住宅が流行っているが、正しい施工をしていないと内部結露が起きる。そのような場合も未乾燥材を使用していると現在の短い工期では乾燥しきれないという不安が残るし、いずれクレームの原因となる可能性がある。

これらはビルダーの指示によるものなのか、単価がきつく、納材業者がそうした材料を使わざるを得ないのか、現場監督が現場を把握できないのか、原因ははっきりとつかめないが 、不幸なのは、住宅メーカーの名前を信用して住宅を購入した一般消費者である。

住宅は、快適で健康的なければならないと同時に、阪神大震災以降、安全なものでなければならないことを、改めて教訓としてきているはずである。まして今は土地・建築資材・金利が安く、住宅を購入しようとしている人は、良質な住宅が安価で手に入る絶好のチャンスなのである。それなのにこのままでは木造住宅の信用を失うことになり兼ねないし、購入された方は取り返しがつかないことになってしまう。このようなクレームは、 最近しばしば耳にしており、こうしたことが木造住宅の不信感につながらないかと心配している。パワービルダーは販売実績も多いことからよけいに心配になる。

当社が商圏としている相模原(神奈川)、町田(東京)地区はおかげさまで住宅需要地としては恵まれている方であり、住宅着工個数も微減か前年並みを維持している。パワービルダーが建てている住宅も多く、それだけに良質の住宅を建ててほしいと願っている。

また、資材販売業者も責任を持って毅然とした態度でビルダーに対処してほしい。自分さえよければいいという考えでなく、一般消費者の立場に立って商売をしていただきたい。そして、住宅を買う人は、建築期間中せっせと現場に足を運び、自分の家が出来あがる過程を見ていただければ、安心できる住宅が出来るであろうし、その家に愛着もわくのではないだろうか。

現状を考えると、小売業者が一般消費者に接近してもらわなければ、我々問屋の生き残る道はないと確信しており、我々もそうしたサポートは積極的に行っていきたい。そのための一策として、一昨年の7月に、一般消費者にもっと木の良さを知ってもらい、木材は安いものであるという正しい理解をしていただくためにホームページを開設した。最近では少しずつではあるが、問い合わせも来てその効果が出てきていると思う。今、一般消費者は住宅に関するかなりの知識を持っているので、我々建築資材の販売業者がもっと勉強しながら対応しなければいけないと思うし、今後も販売店と共に、良い住宅を造るお手伝いをしていきたいと思っている。」

2005年5月7日